ゆうれいになっても夕立ちは怖い
夕闇の濃くなるほどに小さい木
おとなしく蛍の下につきましょう
鼓笛隊だから両手で食べる雪
言い訳に使うミモザを買いにいく
絶交で済めばうれしい冬の水
両親がモンシロチョウに招かれる
天国で描かされているりんごの絵
すれ違う亀には恐れ入りました
焦っても肺がみどりになるだけよ
原付でいけないところのない今夜
はり穴の数千箇所はある夜空
僕のかみさまが結んでくれる紐
とうめいな蟻が鼓膜に巣をつくる
胎内にいちまい濡れるあぶらあげ
月面のねむりづらさったらないね
雪だからのどが触られたがってる
蛇の影結んで喪主のつまむ骨
ケーブルのように絡まる冬の念
二百歳までは花しか食べれない
弔いのために行く町メロンパン
初冬を注射器に血のせりあがる
具の遠いおにぎりの具に辿りつく
発泡酒乾杯砂の城建てて
わたあめを口に溶かして冬あそぶ
警察のふりして川の底を踏む
冬の夜をこうも無音な鶏そぼろ
どっちにも撚れる冬の日の蛇口
剃り残しあってエレベーター5階
爪楊枝もらえれば春つくれます
詩
俳句
川柳
短歌
アフォリズム
全種類